Mountain stream fishing
巨石の渓
天然の砂防とも言える巨石帯を越える、遡行は厳しい、だがそこを越えると渓魚達の楽園がある。


 過去数年間の取り貯めた写真を最近よく眺める事がある、
今年9月の末にメインPCのハードディスクが故障した、
残念だが今年6月から9月までの写真がバックアップしてないかったので消えてしまった、
これはショックでした今年の一番良い時期の写真が消えてしまったのだ。

 だが、このホームページ上に記録があるのでダウンロードして保存する、
解像度も低く全ての写真があるわけでは無いが記録としては十分である、
そして今後の為にも全ての記録をバックアップした。

 ホームページも自分の記録を残す為の有効な手段であるのを実感しました。

 そこで道南の渓流を色んな角度で過去の記録を取り纏めて、
記録しようと思い編集を初めて見た、その第一弾として一年通して良く行く私の好きな渓の一つを、
『巨石の渓を行く』と題してこのレポートを書く事にしました。

 いつもの通り河川名や入渓場所は書きません、
道南で渓流釣りをしている方なら必ずこの流域の何処かで竿を出したことはあるはずです。

 私は下流域から上流域まで一部の支流を除きほぼ歩いています。

 今回レポートするのはその奥深い渓流の一部分で、最上流部で遡行が一番大変な流域になります。

朝日が差し込む
    ▲ 朝霧の渓

 ひんやりとした空気の中で早朝に入渓する、いつも入渓する所は平たく歩きやすいしばらくは。

 前日の雨で少し増水気味である、そんな時は渓魚達も活発に捕食する為活性が上がる、
この時は巨石帯を越えなかったが意外な大物を釣った記憶が残る。

 前半はイワナもいるがヤマメが主になる、春はイワナを求め夏は良型のヤマメも期待できる、
私が尺ヤマメを初めて手にしたのもこの渓である。

 ロケーションが素晴らしい、この時は朝霧が掛かり幻想的な雰囲気を醸し出していた。

序盤の渓相
           ▲ 入渓直後の渓相
 
 今年晩夏の頃例年にない渇水状態、アカガレイ氏と釣りに入る。

 アカガレイ氏もここへは単独でも良くはいるそうだ、
私はある一件があってから巨石帯を単独で越えるために入るには腰が引けている。

 序盤の遡行は比較的楽であるが、魚影は少ない渇水のせいか今年の序盤は特に魚が少なかった、
しかしこの時サクラマスも遡上していて産卵をしていました、来シーズンの回復が期待される。

良型ヤマメ
▲ 尺ヤマメ ▲

 両方ともこの流域で釣ることが出来た尺ヤマメである、
左は浅瀬に付いていてルアーを追ってきたときは大きなイワナと思ったのだが、
手にしてヤマメだったのでびっくりした、私の釣った初めての尺ヤマメでもある。

 右は右上のプールのボトムに付いていて、ヤマメ特有の当たりが数回、
有り粘りに粘ってやっとヒットさせた尺ヤマメで、手にした時は嬉しかった。

 ヤマメの魚影の濃い流域ではないが、時には良型ヤマメを釣ることが出来る。

新緑の季節
          ▲ 巨石帯の入り口
 
 初夏の巨石の渓、新緑も目にまぶしい、この頃の釣りは快適で釣果も良いし一番良い季節で
気持ちの良い釣りが出来る。

 この辺りになるとイワナも多くなるが型は大きくない。

紅葉の季節
             ▲ 秋の景色

 この峰の紅葉はとても綺麗でこの時は山が燃えているように赤く染まって、
素晴らしい紅葉を見ることが出来た。

 そして毎年晩秋にはムキタケを収穫しに行く楽しみのある渓である。

   ▲ 立木に生えたムキタケ    ▲ 倒木に群生したムキタケ

 当然袋に詰めて持ち帰って、みそ汁の具に鍋にと美味しく頂いた。

巨石帯
  ▲ 入り口のプールにて    ▲ 岩の上から

 Mr,K氏、真上からのアングルも巨石の上だから撮影出来る。
 ここから上に上がるがよく見ると意外にも遡行ルートが見えてくる、
この日Mr,K氏は軽々と越えて行った健脚であった記憶がある。

階段状の滝の連続
▲ 同じアングルで撮影 ▲ 

 水量が違うと雰囲気も随分と違うものだ、上左は2007年8月増水時は遡行は厳しい、
上右は同じ年の7月に本州からのゲストY氏ご夫妻との1ショットshinya氏が撮影、
左が私である。

 人が入ることによって渓の大きさがわかると思う、2メートルを超える岩がゴロゴロとある、
はじめからここにあったわけでは無いはずだ、崩れて落ちて来たのだろうか、
それとも上流から押し流されて来たのだろうか。

   ▲ 滝が連続する    ▲ 水は透明度が高い

 巨石帯の途中にもイワナばかりかヤマメも釣れる、
水の透明度は高く偏光グラスを通して渓魚達が泳いでいるのがよく見える、
ルアーを送り込むとチェイスしてくるイワナがよく見えサイトフィッシングを楽しめる。

岩の向こうは
▲ 大岩を登る

 大きな岩をよじ登りポイントに入るアカガレイ氏、彼もこの渓はよく通う。

 岩の裏に良ポイントがある、そこにはこのように大岩を超えていかなければならない、
しかし岩も足をかけやすい凹凸があり越えるのは難しくない、でも幾つも超えると話は別で、
ここに上がってくるまでに、普段使わない筋肉を酷使するので釣行を終える前に疲れ果ててしまう。

 遡行は厳しいが魅力があるし、釣り人を満足させる渓流なので苦労をしてもまた行きたくなる。

         ▲ 高さ10mの巨石が並ぶ

 釣り人も岩をよじ登り縫うように遡行を余儀なくされるが、水の流れも岩の隙間を流れ落ちる、
良好なポイントもあるが行きたくても行けないポイントも多い。

   ▲ 大きな岩の間を抜ける   ▲ 滝の裏には行くことが出来ない

 今年この滝壺でサクラマスを見ることが出来た、どんなに険しくても自然河川なら上がってくる、
流石にこの滝は上がらないだろうと思うが、この上にもヤマメがいるのだ自然は逞しいとしか言いようがない。

巨石帯の上の渓相
▲ 荒れた渓相と良型のイワナ ▲

 ここ迄くると釣れてくるイワナも良型が多い。

 私的には一番好きな区間になる、それはやはり釣り人である釣れる魚は大きい程良いに決まっている。

 色んな所にポイントが点在している、一つずつ探りながら釣り上がっていくがの楽しい。

▲ 尺越えの大イワナ ▲ 

 荒れた渓相の中で2007年8月に釣った42cmの大イワナ。

 夏から秋にかけて魚体の立派なイワナが相手をしてくれる、
流れも速い場所にいるのでパワーもある、ヒットするとそのパワーでロッドは大きく弧を描く、
40cmを越えるのは稀だが年に2・3匹は釣ることが出来る、
居着いているのはいつも同じ場所、水の流れが変わる岩陰の奥にいる。

季節によって

 雪代の終わり、新緑のまぶしい春、そして紅葉の始まりの秋。

 同じ渓流でも季節によって雰囲気は随分と違う、上流は意外にも緩やかな流れを見ることが出来る。

 中の写真はyamame氏TOKI氏とともに来たとき〈4人パーティのイワナ釣行記〉
ヤマメも解禁していたが敢えて上流域に連れ込んだ。

最上流部
▲ 上流部のイワナ ▲ 

 残念だがここまで上がると、渓は上下に分断されてイワナのみの流域になる、
まだ奥は深いだが釣りが成り立つのはこの辺りまでである。

 だが奥はまだ深く来シーズンは是非行き止まりまで行ってみたいと思う。

羆の恐怖
  ▲ 真新しい羆の足跡    ▲ 数時間前に残された羆の糞

 最後に忘れてならないのが羆のテリトリーである事。

 行けば必ず痕跡があり危険な香りもしたことがあるし、引き返したこともある。

 また羆の足跡をたどるように林道を歩いて降りた嫌な経験もある。〈山の主に守られている渓流〉

 ここに来るときは十分に警戒しなければならないと思う。

◎ 関連釣行記

平成18年7月16日 N川水系本流及び支流上流ヤマメ・イワナ釣行記
平成18年8月 6日 Y川水系及びN川上流ヤマメ・イワナ釣行記
平成19年6月24日 源流の誘惑 Vol,4
平成19年7月 1日 混成4人パーティの巨石帯
平成19年7月 8日 ルアーマン二人の山岳釣行
平成19年8月12日 朝靄の渓流とイワナの渓
平成19年8月20日 山の主に守られている渓流
平成20年6月15日 巨石の渓とイワナの楽園
平成20年9月28日 巨石の渓(季節はずれのヤマメ)
平成20年10月12日 秋の三渓魚(巨石の渓と親子羆の渓)
平成20年10月19日 ゲストを迎え巨石の渓を行く

編集 平成20年12月28日
Mountain stream fishig
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