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7月8日 彼の渓は

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 7月8日 晴 ヤマメ13cm イワナ35㎝

 道南太平洋側の朝はこの季節独特の霧のかかった様な気象となる、時間が経過して日が高くなるとその霧も消えて、日が差して晴れ渡る事が多くなる、相変わらずまとまった雨が降っていない。

 7月に入って二回目の日曜日、出発する時まで何処へ行こうか迷って車を走らせた、ハンドル任せに走り到着してみるとると去年は一度も入渓していない場所へ来ていた、ここは以前良型のイワナを連発して楽しませてもらった場所である、一昨年に土砂で渓が埋まりイワナの数も激減して去年は一度も訪れる事無く封印していた、今シーズンは早い時期から気になっていて訪れてみたかったのだった。

 渓を上がって行く途中の障害物までの間はヤマメも狙える流域であるが、解禁からまとまった雨も降らず魚が動いていない様で、抜かれた所は他の別な魚も入らず『もぬけの殻』状態のような印象を受けた。



 そして完全なイワナ領域に入る、少々進んだ場所でイワナの反応、一本目に32㎝の尺上がヒット、その後レギュラーサイズを数本掛け、入渓序盤の内に35㎝と良い感じで釣り上がっていく、そしてこれから本番と言う所で比較的新しい羆の特大糞が足下に、そして周囲を注意深く観察して砂地に足跡を見つける、だがその少し先で違和感を感じる岸際が以上に濡れていたのだ、それは川を渡り濡らしていったものその先には点々と濡れた足跡が付いていた、進行方向は下流だ私は上流に向かっている、当たり前だが羆とすれ違った記憶は無い。



 以前にも濡れた足跡は経験しているが進行方向は同じであった、今回はすれ違った事になる、爆竹の音を聞いて羆の方で逸れていったのだと思うが、もし帰りに下流に居座っていたら私の退路を断たれる形になる、渓相はゴルジュ形状で両岸はほぼ切り立った崖で高巻きも厳しいし林道も無い、逸れた直後であるならそのまま引き返せば良いと判断し、パックロッドを畳み渓を下りる事にした。



 今回は何事も無く戻る事が出来たが、タイミング次第では鉢合わせと成りかねない状況だったと思う、今シーズンは何か羆との距離が近い気がする、今後の入渓は慎重にしなければならないと思います、侵入者は自分なのだから。


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