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6月10日 残雪の渓流とイワナ

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 天候 曇り後晴れ MAX ヤマメ 14cm イワナ 32cm

 6月に入りヤマメ解禁となった道南、ヤマメ流域は何処も賑やかになっている事でしょう、私は相変わらず山岳渓流の上流域を目指す、この日の天候は悪く午前中は雨も降る予報であった、それは道南でも地域によって異なるので、比較的天候の落ち着いた流域を狙う事にした。
 夜明け前に自宅出発して夜が白々と明ける峠を超えていく、入渓場所に着いた時はすっかり明るくなっていた、久しぶりの山岳渓流である、装備を調え熊スプレーと爆竹を確認する、相変わらずの単独の釣行である忘れ物の無いようにしてタックルを手にして流れに入って行く。



 空は曇っていたが雨が降る気配は無かった、序盤砂地には前日のものと思われる入渓者の足跡が付いていた、この渓は終点まで海と繋がっているのでヤマメも狙える、解禁から何人の釣り人が入っただろうと想像する、渇水気味の小さな渓流だヤマメもすっかり抜かれただろうと思いつつロッドを振っていく、入渓して直ぐにイワナがヒットしてその後は沈黙、たまに小さなイワナが追っては来るが針には掛からない、ヤマメは全く姿を見せないこの状態がしばらく続く。



 渓も中盤に差し掛かり魚も少しずつ多くなり良型のイワナも多く見られるようになる、そしてここまででヤマメは1匹だけ、中盤以降はヤマメの流域では無くなるのでその後は期待できない、まあもとよりヤマメを狙ってきたのでは無いのでまずは小降りな1匹であってもヤマメ開幕のご愛敬と言う所だ。


▲ 今シーズン初ヤマメ ▲  ▲  晩春のボリボリ(ナラタケ) ▲

 その後核心部に入って行く3週間ほど前に痛めた右足も大丈夫の様だ、ただ遡行は慎重に足下をよく確認しながら進、川底の石はヌルッとしていてよく滑る、また乾いた石でも石によっては表面が滑るものもあるでツルンといったら最悪のパターンとなる、遡行スピードはあくまでもスローで慎重に進んで行く、ゴルジュ帯に入って行とひんやりとした空気が漂ってくる、そして目の前に残雪が現れる渓の半分を塞ぐ1週間前ならまだ渓を塞いでいたと想像する、この時これでは最上流部は怪しいかなと思われた。


▲ ゴルジュ帯の冷たい流れ ▲   ▲ 残雪残る渓 ▲

 核心部に入っても決して魚影が濃いとは言えない、残雪があっても水も少なく感じたやはり最近雨が少ない性だろうか、イワナはボトムや石の影に入り込んで出てこないのだろう、アップでルアーをリトリーブするよりポイントの上に回り込みシンキングで沈ませながら誘うとよく釣れた印象を受けた。


▲ 良型のイワナ ▲ 

 遡行も終盤を迎えようとする頃、予想通り残雪が現れた、残雪はスノーブリッジになっている、超えようと思えば超えられそうではあったが厚みは無くそこで引き返す事とした、河通しで脱渓地点まで戻る朝には低くたれこんだ雲も薄くなり日も少し差し込むようになる、気温が上昇してエゾ春ゼミの大合唱で道南の春も終わりを告げる。


 ▲ スノーブリッジ ▲

 脱渓地点まで来て林道に上がる、去年は荒れ放題で有った林道も途中数カ所に土砂が林道上に崩れ落ちてはいたが、整備され歩きやすくなっていた、普段人が入らない林道は当然羆の通り道となっているようで、羆の落とし物が300メートル程の間隔で7箇所に点々と残されていた、新しい物では無かったが流石にこれだけの痕跡があると気持ちの良いものでは無い、だが林道脇を見ても食痕や草が倒された様な痕跡も無かった大概なら食痕ぐらいは有るのだが、林道も砂利が敷かれて間もないので足跡は確認できなかったが羆はただ通り抜けただけなのかもしれない、まあいずれにしても遭遇したくない相手ではあるので見通しの悪い場所は爆竹を鳴らしゆっくりと歩みを進めた。


 ▲ 林道に残された羆の糞 ▲
 

 入渓点までたどり着くと雲の切れ間が広がり青い空が広がりを見せる、日が差して暑いぐらいだ北海道の短い夏はもう少しでやってくる。

 今回の釣行、冬の間に鈍った体には少々応えたが久しぶりの山岳渓流を楽しむ事が出来た、ただ今回はアメマスの姿を見る事が出来なかったのが残念である、まだ時期が早く遡上して来てない最近の雨不足もあるのだろう、今後まとまった雨が降り増水すると一気に遡上してくるのだろう、今度来る時はタイミング良く入れたならと思うところである。

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