< < なごり雪 > > |
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タイトルを『なごり雪』としたが、そんななまやさしい言葉では無い一日になったこの日、アホな釣り人が一人いた。
道南もようやっと段々と暖かくなってきて木々の枝先の蕾も膨らみ始めたのに、季節外れの大雪が道南を襲った。
この時期たまには雪の降る日も有るが、こんなに積雪した年は初めてである。
始めに向かったのは、ブラウンの止水天気は相変わらずみぞれ模様、ゲートはまだ閉められている車が一台止まっているが釣りの様では無い、おそらく山菜目当ての者だろうけどこの天気なのに物好きもいるものだと思った、だがよく考えると私の方がよっぽど物好きで有るのは間違いない。
車を止めてウェダーを履き防水の防寒ジャケットを着込み、ロッドを手にインレットまで歩いて行く。
目的のインレットに立ち込みラインの先にスプーン付けてフルキャストする、少し沈めゆっくりとラインを巻き取る、数度繰り返すが何の抵抗もなくルアーは戻って来る。
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釣れないと一段と寒さが染みてくる指の感覚が麻痺してきた、気温の急激な低下でマスの活性は著しく落ちているのだろうか、それとも私のようなアホな釣り人は相手にされないのだろうか。
二時間粘り体は冷え切りマスからの反応はない、少し歩いて体を温めようと上流に向かう、するとルアーを追う姿を見ることが出来た、冷たい流れでも結構遡っているようだ。
しかし何時ものパターンでルアーに興味を示すのは、一度きり一発でフッキングさせないと二度目のチェイスはないのがここのマス達だ、前日に付けられたと思われる足跡たくさんあるプレッシャーは高い。
それでも40センチに満たないレインボーを手にしたとき私は寒さを忘れていた。
その後インレットに戻るが最初と同じく反応はなく諦める。
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流域を替えようと車で移動、みぞれだった空が本格的な雪となった、目的地に到着したときには既に10センチ以上の真冬並の降雪。
こんな状況で釣りになるのだろうか、諦めの悪い私はロッドを持って渓に入っていく。
渓を歩いていると時々木に積もった雪の固まりがドサッ!ドサッ!と頭上に落ちてくる、水温も低下しているので降った雪が流れの淀みに溜まっている、もうこの時点で意地になって釣りをしている感じである。
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まぁそれでもそんなお馬鹿な釣り人にも数匹のイワナが相手をしてくれた。
滝を見て引き返す渓流シーズンになったと思ったのに、翌朝、車に積もった雪は20センチを超えていた。
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