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7月5日 曇り イワナ・ヤマメ MAX 40・21
cm

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 いよいよ7月に入り北海道も夏らしくなってきた、仕事の都合で急に休みとなった。

 そこで思いつくのはやはり釣りに行くこと、土曜日に行けば翌日の日曜は休養に当てられる、そう休養が必要になる釣行を企てたのだ。

 道南は前日からの雨で少々河川水位が上昇しているとは思ったが、ネットで水位の変化を見ると目的の下流域は増水気味ではあったが、近辺の上流域は数センチの水位上昇しかなく釣りは可能と判断したのだ、ただし今回は単独を避けてアカガレイ氏に金曜日の夜にメールを打つ急な誘いではあるが快諾のしていただいた、しかし現地の水の状況がわからないのでダメであれば別流域と考えていた。

 いつもの待ち合わせ場所に行き合流、ナビ席にアカガレイ氏を乗せ現地に向かう途中食料・水を購入し林道の奥に車を向ける、入渓場所に4時過ぎに到着すると川は少々笹濁りで増水気味だが問題なしと判断、準備をして4時40分に遡行開始をした。


 以前ここに来たときもそうであったが、昨年釣れ始めた支流が入る二股よりも少々下流から今回も反応が有るが魚影は極端に薄く足早に釣り上がる、その二股に到達が7時15分、遡行から2時間35分殆ど釣果の無い遡行である。

 今回は増水気味でもあり少々反応が有ったので、ロッドを振りながらのゆっくりな遡行で少々時間が掛かった、前回は2時間で到達していた。

 この二股を越えるとすぐにヘツリ箇所が現れる、そこを越えられなければ楽園に入る事は出来ない。


 前半フライのアカガレイ氏は前日の雨で水量が多く天候も曇り空で少々苦戦を強いられていた。

 それを尻目に私は34cmを2本含む尺上を数本、そして今シーズン初の40イワナをキャッチする事が出来た。


 今回手にした40イワナのパワーは目を見張る物であった、あるチョットしたプールでミノーをキャストしてリトリーブすると、その後ろを少々小さめのイワナ(それでも25cm以上はある)が追尾してくる、そしてバイトして暴れると数本の尺は有ると思われるイワナが集まって来た、その中に更に別格のイワナが1本混じっていたのが見えた私は思わず興奮したね、だがミノーには既にイワナが付いている、その大きな影は左の岩陰に潜り込んでしまった、ミノーに付いたイワナを外し更に数度ルアーのキャストを繰り返す、するとドン!と当たりが来たそして強烈な引き、ウルトラライトのロッドのバットから綺麗に弧を描く、スピニングリールのドラグが効いてないかのようにラインを引き出していく、バラしてなるものかとそいつの動きに合わせロッドを右に左に持って行く、やりとりした時間は2・3分だと思うが、ロッドを持つ腕がだるくなるくらいのパワーで引きずり回された、だが浅瀬に寄せ顔を出す岸に上げると見事な魚体、体高も幅もあり頭は平たく下顎は少ししゃくれている、写真を撮る間にも暴れ回る押さえきれず撮影に手間取ってしまった、リリース時は少々弱っていたがそのイワナはゆっくりと戻って行った。

 この数分間は時間が止まった、イワナでこんなやりとりをしたのは初めてである、余韻に浸りつつ遡行を再開して少し上流にいるアカガレイ氏を追いかけて行く。
 

 この渓も後半に入る渓相も浅瀬が多くなり、時間も昼に近くなると日か差し込むようになってくる、更に魚影が濃くなる。

 そしてドライにこだわり通したアカガレイ氏にも納得の尺上のイワナが順調にヒットしていた。

 

 遡行開始から9時間強終点に到達する、ここに立つと不思議な感覚を受ける、大きな岩の裂け目、苔生した垂直の左右の岩壁、覗くとこれが更に続いていて奥が見えない、なにか引き込まれそうな感覚。

 左から流れ込む滝はその流れ落ちる水だけに日が差し込み、神秘的な光景を醸し出している、実に美しい。

 だが時間はもう午後2時を回る、ここから戻るには黙って3時間の川の下り歩き待っている、今度何時来られるかわからないがこの光景を背に入渓した場所まで戻り遡行を開始した。
 

 下りの渓相も良く、また違った渓を歩いているような錯覚を受ける、いやそう思わないと黙々渓を歩き下るのは辛い。

 

 入渓場所に近づく、日は少々傾き木陰を歩く、午後5時予定通りの3時間の下り遡行で無事車に戻ることが出来た。

 

 空を見上げると朝霧雨を降らした雲は消え青空が見える、疲れ切った身体とは関係なく。

 そして沢山の尺上のイワナに今回も手にする事が出来たイワナ釣りの充実した一日、道南の渓流にはまだまだこの様な渓が有るのだろうか、また日をおいてこの渓に来るのは間違い無い、山岳渓流の盛期は始まったばかり、それ迄に渓の住人達は更に大きくなって釣り人を迎えてくれるだろうか。

 この渓 「尺イワナの楽園」 決して大袈裟な表現では無いはずである。

 


渓の住人
余談その1 (尺イワナの食事)

 今回珍しい光景を見ることが出来た、それは岩魚の食事風景である。


 このイワナ尺は十分有る、流れの澱みでジーッとしていた。


 口先が白い、変だなと思いよく見ると何かを咥えているようだった、更によく見るとカジカの頭が口から出ていたのだ。


 始めて見る光景で思わず ビックリ!でした。






 そこでその口から出ていたカジカにルアーを引っかけて引っ張ってみたが、なかなか放さない。


 そして口から出しても食らい付いてくる、この光景本当に凄かった。


 何度も口から離れても追いかけ食いついてくるのだ、こんな大きい餌をこいつらは食っているのか!!

 何かで見た事があるがヘビでもネズミでも口に入るものは何でも食う、獰猛で悪食なのは知っていたが、直にこの光景を見ると凄い光景だ。


 イワナ釣りをしているとたまには口から小魚を吐き出すことは有ったが、カジカを手元に取ると長さは約10cm頭の大きさは3cm程、こいつは飲み込めずに口からカジカの頭を出していたのだ。


 他のイワナが吐き出した半消化済みの物、これも長さは7cmぐらいである。


 こんな大きい獲物を飲み込もうとしていたここのイワナ、大きくなるはずだとつくづく思ったね。

 
余談その2 (羆のテリトリー)

 上は羆の食痕である春から夏にかけては、この多年草のエゾニュウを好んで食べるようだ、詳しい方も居ると思うがこのエゾニュウは独特の嫌な匂いが有る、一度嗅ぐと忘れられない匂いである、人間にとって嫌な草でも羆にとっては重要な食料なのであろうか、茎の部分を食べ葉は残していく、山の林道に入るとよく見られる筈だ。

 左はその羆が休憩をした後のようだ、この様な場所も数カ所有った、他にも草が踏み分けられた獣道も見受けられた。

 下はその主の脱糞である、間違いなくここで食べ、休み、糞をしている羆のテリトリーである、侵入者は私たちだ事故のない様にしたい、その為にも装備は整えておきたい、鈴・笛などは林道では有効だが、渓流では役に立たない30メートルも離れれば水の音で掻き消されてしまい聞こえない、直線ならまだ良いが曲がるとその距離はまだ縮まる、出来れば爆竹を携帯した方が良いと思う。(個人的意見だが)

 今回は食痕も数日前、足跡も雨で消されていたので爆竹を鳴らし奥へ入ったが、新しければ引き返していただろう無理は禁物だ。(これだけでも十分無理しているのかもしれないが)

 
Mountain stream fishig
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