すっかり暇人になり平日に釣りに行ける身分になってしまった。

　8月に入り北海道も夏本番、朝から生温い風が流れていたが、この日、無意識に車のハンドルを握って渓に向かって走っていた。

　装備を整え渓に立つ序盤は反応が鈍い、そして最初に勢いよくミノーを追い飛びついて来たのが左のおちょぼ口だ、あまりにも勢いが良かったのでイワナと思ったぐらいだ。

　まもなくヤマメ・イワナ顔を出す、型はそれ程では無かったがボツボツと釣れる、前日であろうと思われる釣り人の足跡が有る大雨の後やはりヤマメは抜かれているようだ。

　この渓は全般に平滑で所々にプールがが有り、そこが良いポイントになる、そのプールで型の良いイワナ数本出てくれる。

　そして8寸ヤマメも姿を見せる、しかし数は出ないそのまま釣り上がる、今度は型の小さなイワナが多くなる。

　魚止めに行き着いたときに、いきなり重たい当たりがロッドから手に伝わって来る、尺オーバーのイワナと思った瞬間姿を現す、だがそれはヤマメだそれも大きい。

　慎重に寄せて計測してみる、３１cm有る。
　なんとここで尺ヤマメに逢えるとは思ってもいなかった、今年ここに居るとは。

　行程はここで終了、まぁこの上はイワナ領域なのでまたその内行くことにして引き返す。

　この区間通して釣り上がったのは初めてだが、３km程の行程になる、また帰りはひたすら歩くことになる、これが結構長いのだが、尺に逢えたのだ文句は言えないな。

　数が釣れればまだ時間が掛かるのだろうが私の足で半日の行程になった。

　今回も歩き疲れたが尺に逢えたのは嬉しかったね、今シーズンまだ先は有る、また尺に逢えると良いな、と思うのは贅沢だろうか。