7月に入ってからはまとまった降雨が無く、渓も水涸れ気味、前回、前々回に巡った渓は全て渇水状態がひどく、それが直接釣果に影響して来る。
雨が降らないと魚が定位している場所から動かず、抜かれた場合新たな魚がポイントに入って来ないようである、また渇水は渓魚達を敏感にさせる。
今回shinya氏にお願いしてイワナの楽園とも言える渓に案内していただいた、shinya氏によるとこの渓は夏でも比較的水量が安定しいるとのことで、何時もイワナ達が元気に出迎えてくれるそうだ。
入渓地点で一発目にアメマスが、次はヤマメが顔を出す。
初めはこの渓も例外なく渓魚達は敏感だ、プールが有るとその瀬尻に小イワナが定位していて気配を察知して上流に一気に走る、うかつに近寄れないかなり手前からルアーをキャストしていく、普通で有れば最初にそのポイントで一番大きなやつからルアーを咥えるのだが、今回はその2番手3番手ぐらいのが先頭に来る、大きいやつはその後をゆっくりと追ってくる、2回目はほとんど興味を示すだけでバイトしてくるのは少ない状態だった。
だがそれも上流に上がっていくと気にしなくてもイワナはルアーに遠慮無く飛びついて来る、中でもとびっきり元気なやつがミノーにバイトしてきた瞬間、頭を振ってミノーを数メートルはじき飛ばす者までいた、ここのイワナ達は本当に無垢で元気だ、最上流のポイントではルアーの着水と同時に泣き尺クラスのイワナが6・7本、一斉に目の前の岩陰から飛び出して来て思わず「オオッ!」と声を上げてしまうほどだった。
途中、滝が数カ所有るのだがルアーでは引き出せなかった、だが確実に主はいる雰囲気を持っている、また訪れた時にはなんとかご対面したいと思うね。
その数カ所の滝は高巻いて越えるのだが、トップの写真の右を少し奥に入ろうとした瞬間、足が滑り胸まで浸かってしまった、慌てて岩にしがみつき戻ったがウェダーは浸水デジカメ、携帯電話も水に一瞬だが浸かってしまった、当然防水ではないので水が入ってしまった、shinya氏は「戻ろうか?」と気を遣ってくれた、ウェダーがブーツタイプであれば遡行は気持ち悪く諦めただろう、だがウェダーがストッキングタイプのであったし、こんなパラダイスを目前に引き返す事は出来なかったね。(笑)
これは帰宅してからの話だが次の日、携帯電話とデジカメは無事復活を遂げた、でも携帯ははそろそろ機種交換を考えていたし、デジカメも防水タイプが値も下がって来たので買おうと思っていたので丁度踏ん切りがついた、電気店に行きWATER PROOF携帯と防水カメラを購入してしまった。
そして最後の魚止め地点に到達する、私は体高の有る32cmとshinya氏この日一番の34cm、二人で尺上を引き出す、最後は大合格である。
だがここからが大変なのだ約6km林道を歩いて駐車場所まで戻らなくてはならない、ひたすら歩かなくてはならない途中当たり前のように熊の糞が数カ所に点在する、タヌキが前方で走り「熊か?」と二人で一瞬固まる、渓の中を歩くのとは違い意識が藪に向けられる為か林道を歩くのが怖いね、なんとか1時間半程歩いて無事車に到着しshinya氏と別れ帰宅となった。
水没後の写真は全てshinya氏が提供してくれた、またこの素晴らしい渓を案内いただき本当に感謝している。
そして、このイワナの楽園とも言える渓がいつまでも楽園で有ることを祈るばかりである。
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